うつ改善にも効果を発揮する葉酸サプリ

妊活・妊娠中に摂るべき栄養素の一つとして知られる葉酸は、出産後の授乳期にも積極的に取り入れると良いと言われます。母親の体調を整え質の良い母乳をつくることに役立つほか、産後うつを防ぐためにも葉酸は有効性を発揮すると言われ、毎日の食事で十分な量の摂取が難しい場合には、葉酸サプリを服用するという方法もあります。

葉酸サプリで防ぎたい産後うつ

2018年秋、ある衝撃的なニュースが若い夫婦のみならず世間一般の多くの人々を驚かせました。2015年から2016年までの2年間に亡くなった妊娠中から産後1年未満の女性357人のうち、102もの人が自ら命を絶っていたという調査結果が明らかになったからです。

自殺した妊産婦のうち妊婦は3人・産婦が99人とされ、無職世帯での自殺率が高く半数近くが35歳以上だったこともあって経済的な理由や高齢出産なども自殺の要因に絡んでいることが推測されていますが、何より産後うつという心の病の影響が指摘されています。

妊娠中から出産後にかけて激変するホルモンバランスの影響や生活サイクルの変化、不眠や孤立感などが原因で起こる産後うつは以前から危険視されていましたが、妊産婦の自殺率の高さが浮き彫りになったことで、早急な対策が叫ばれるようになりました。

深刻な状態が明らかになったばかりの現段階で妊娠・出産を控えていたり、すでに産後で不眠や抑うつに悩まされている人にとっては可能な限りの自己防衛をするしかなく、その手段の一つとして葉酸サプリの存在がクローズアップされています。

毎日の食生活で意識的に摂りたい葉酸

葉酸が妊活中や妊娠中、出産後の授乳中にも欠かせない栄養素であることは以前から知られており、お腹の赤ちゃんの健康を守り妊婦の貧血を防いでつわりも軽くするなど多数のメリットが挙げられています。葉酸は野菜ではホウレンソウやアスパラガス、フルーツではイチゴやオレンジ、アボカドやライチなどに多く含まれ、肉や魚介類ではレバーやホタテ、豆類やキノコなど貧血を防ぐことを意識した食生活を続けていれば成人女性の1日の推奨摂取量240㎍を摂ることは概ね摂取可能と言われています。

とは言え、妊娠前から妊娠12週までに推奨されている摂取量は400㎍となっており、毎日の食事内容に気を付けるだけでは必要な摂取量に満たないことも考えられます。妊娠中期以降も食事だけでは栄養バランスを整えるのが不十分という場合は、葉酸400㎍摂取を意識したほうが良いとされ、葉酸サプリの活用が役立つと言われています。

産後うつの恐ろしさが明白になった昨今では、葉酸がうつ病の改善にも大きな役割を果たしていることが改めて注目されるようになり、産後の積極的な摂取が推奨されています。

葉酸サプリに関する嘘や誤解の情報

身体の不調より恐ろしい心の不調

産後うつに限らず、うつ病や不眠症はストレス過多の社会で深刻な現代病の一つになっており、身体に不調があらわれる病気やケガと違って外部にそれとわかる目立った症状が出にくいことから、対処が遅れて悪化しやすい面も持っています。

日本では積極的に健康診断を受け少しの体調不良でも病院に行く人が少なくないわりに、メンタル系の医療機関を受診することに抵抗感を持つ人が一定数存在し、受診したとしても周囲に知られたくないとひた隠しにするケースもあります。

こういった土壌も心の不調への適切な対処が遅れる原因の一つと考えられ、抗うつ薬や睡眠導入剤の副作用に悩まされる人が少なくない点も、精神科や心療内科の受診に二の足を踏む要因と言われています。女性の場合、産後うつと共に深刻とされる更年期の心の不調も、ホルモン補充療法だけでは改善しない場合もあり、会社勤めなどをしておらず家庭で家事や介護に追われている人の表面化していないうつ病の実態も深刻という推測もなされています。

葉酸の積極的な摂取が産後うつ対策に役立つだけに留まらないことは、もっと広く周知されるべきという声も上がっています。

葉酸濃度の違いで変化するうつ病リスク

出産後の女性はホルモンバランスの変化や育児による睡眠不足から産後うつに陥りやすいことが知られていますが、更年期にも女性ホルモンの激減からホルモンバランスを崩し、自律神経も乱れて不眠やうつ病発症のリスクが高まると言われています。

同じ条件でもうつ病になるかならないかの分かれ目の一つに体内での葉酸濃度の高低があるとされ、健康な人では葉酸濃度が低い人の割合が10人に1人のところ、うつ病の場合は4人に1人が葉酸濃度が低かったことが研究で明らかになっています。

血中の葉酸値が低かったり葉酸の摂取量が少ない人は、しっかり摂っている人と比べてうつ病にかかるリスクが約1.4倍も高いという研究報告もあります。さらにうつ病患者を対象にした研究で、抗うつ薬のみを摂取させたグループと、抗うつ薬に加えて葉酸を与えたグループとに分けて検査したところ、葉酸も摂取していたグループのほうが症状に改善がみられたというデータもあると言われ、詳しいメカニズムは研究過程にあるとされながらも、体内にある葉酸の量が心の健康にも大きくかかわっていることが、さらに明らかになりつつあります。

幸せホルモン・セロトニン生成に役立つ栄養素

うつ病や不眠症の原因の一つに、脳内での神経伝達物質セロトニンの不足があると言われ、心の不調を抱える人の多くがそれを増やしたいと考えています。幸せホルモンとも呼ばれるセロトニンは精神を安定させ幸福感や充足感をもたらすと言われていますが、セロトニンそのもののサプリはなく、原料の一つとされる必須アミノ酸のトリプトファンや、トリプトファンがセロトニンに合成されるのを促すビタミンB6が含まれたビタミンB群などのサプリを積極的に摂取するしか方法はありません。

セロトニンは睡眠ホルモン・メラトニンの材料にもなることから、セロトニン不足は不眠症にもつながり、うつと不眠は密接に関係し双方が悪影響を及ぼし合って症状が悪化するとも言われています。このためトリプトファンやビタミンB6の摂取だけでは不十分で、夜型の生活を改めてセロトニン生成に欠かせない要素の一つである朝日を浴びて、昼間しっかり活動する生活スタイルに変えることも重視されています。

近年ではうつ病改善のためには食事内容の見直しが重要であることが以前にも増して指摘されるようになり、ビタミンB群の一種・葉酸を多く含む野菜やフルーツを朝食で積極的に摂ることが重視されています。ゆっくり朝食を摂る時間が取れない人の場合、葉酸サプリをサポート役にするのも一つの方法です。